2011/02/28 【滋賀県守山市】続・堀井動物園全焼について思うこと

私の実家(滋賀県守山市)から歩いて5分のところにある堀井動物園の全焼事件から3日が経ちました。全国ネットのニュースでも報道されたらしく、私の近辺でも事件について知っている人がいました。


今回の火事についての私の意見は、前回のポスト
http://d.hatena.ne.jp/ninjicarrot/20110225/1298644363
に書きました。


結論から言うと、この動物園は、スペースが許す動物の数をはるかに越える量の動物を飼育していた。管理状況はずさんであり、衛生面・安全面の観点から容易に再開を許してはならないと私は考えています。


堀井動物園は、滋賀県守山市の駅から10分程度のところにある約600平米の倉庫に、トラ・ワニなどの大きな動物を含む200種300匹の動物を飼育していました。25日未明に出火し、そのうち約200匹の動物が焼け死んだと見られています。出火原因はまだ特定されていませんが、温度管理のために用いていたヒーターが原因ではないかと考えられています。


動物園の園長が動物を集め始めたのは約30年前。引き取り手の無い動物や、通常の動物園では展示できない怪我をした動物なども引き取って来ました。園長は、現状のスペースで飼育できる動物数の限界を理解しながらも、やむにやまれぬ気持ちで動物を引き取りつづけた結果、600平米に300匹という過密状態が生まれたのではないかと考えられます。


この動物園の主要事業は、「移動動物園」。幼稚園などの施設に、トラックで動物を搬入し、子供たちの前で放す。普段なかなか触ることのできない動物と触れ合う貴重な機会を提供していました。


私の通っていた幼稚園(立入が丘幼稚園)にも、移動動物園が来たことがあり、大きな動物が校庭を駆け回る様子に戦々恐々とした覚えがあります。また、昔飼われていたラクダの散歩は、私の家の前を通ることもあり、近所が沸き立つイベントでもありました。ある意味、近所との結びつきが強い動物園であったと思います。


しかし、


堀井動物園は、今回の火事以前にも、悪臭の問題(近辺100mには常に悪臭がたちこめている)や小さな火事、動物の脱走事件を起こしてきました。


「金儲けのための動物園ではない」
「いずれは広い土地で動物園を開く夢がある」
堀井動物園で引き取られなければ、動物は殺され
 てしまう運命だった」


という堀井さんの弁、ファンの意見は最もですが、衛生面・安全面での管理が行えないほど動物をたくさん飼うことは、結局堀井さん自らの首を締めるような事態につながるということが、今回の火事によって明らかになってしまったのではないでしょうか。


私が小学生の時、授業で堀井さんの話を聞く機会があり(ビデオだったかもしれませんが)、「堀井さんに動物を大事にしてくれてありがとう」という趣旨の手紙を書く(直接言ったのかもしれませんが)ということがありました。当時は、特に疑問に思いませんでしたが、


「善意で頑張っている人なのだから、とりあえず応援する」


という思考停止が起こっていたと思います。また地域にもこの雰囲気が充満していると思います。堀井さんのブログに集まったコメント(下記リンク参照)を見ると、


「地元の反対に負けるな」
(地元民の放火なのではないか?という心が痛むコメントもありました)
「園長さんは頑張ってきたのに、批判する人が許せない」
「動物を大事にしている園長の気持ちが分からないのか?」
「頑張って早く再開してほしい」


などといった意見が多々ありました。


でも、それだけ動物園・堀井園長のことを思う気持ちがあるなら、なぜ、施設の現状を直視することを避け、「早く再開してほしい」などと言えるのでしょうか?


各地から集まる引き取り依頼を断れず、これまで堀井園長は動物を増やし続けてきたのではないかと思います。しかし、それらがこれまで問題となり、今回の火事につながってしまいました。


動物園・園長を愛するファンの人こそ、無責任に応援するのではなく、動物園をどうすればよいか、時には厳しい意見もしなければならないのではないでしょうか。


今日更新された園長のブログ(下記リンク参照)によると、園長は、


「復旧作業を並行して行いつつ、移動動物園も行っています」
「今までと変わらない内容でのイベントをさせて頂けますので、イベントのご依頼を心よりお待ちしております」


と書き込んでいます。そもそも復旧作業と移動動物園は並行できるものなのでしょうか。これまで同様の無謀な経営を繰り返そうとしているようにも見受けられます。今回の火事で受けた被害の分を稼ぐためにも、移動動物園での興業収入が必要なのは分かりますが、今の自転車操業を続けることが堀井さんのため、動物のため、ファンのためになるのでしょうか。


堀井さんのブログに集まっていたファンからのコメント数を見ると、移動動物園を呼ぶファンは現れそうです。しかし、移動動物園が忙しくなるあまり、飼育環境の整備が疎かになり、また同じ事件を繰り返してしまうのではないか?と心配でなりません。


繰り返しになりますが、ファンの方こそ、安易に「頑張って!」と言ってはならないと思います。


また、私は、日々動物と触れ合っているわけではありません。(元)近隣住民でどちらかというと動物園の運営に批判的な自分が堀井さんに上記のような意見を伝えても、聞く耳をもってもらえないように思います。


どうか、ファンの方こそ、堀井園長に事態を直視するよう伝えて欲しいです。



下記に主要な報道やブログ記事をまとめました。


■主要な報道

火事当日に事態を伝えた報道(2011/02/25)
http://www.dailymotion.com/video/xh799v_yyyyyyyyyyyyyyyyy_animals


翌日の報道(2011/02/26)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110226/shg11022601580004-n1.htm


火事2日後の現場検証に関する報道(2011/02/27)
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE110226154400435609.shtml


堀井動物園ウェブサイト
http://www.horii-zoo.jp/about.html



■園長のブログ

火事に関する園長からのコメント(2011/02/28)
「復旧作業を並行して行いつつ、移動動物園も行っています」
http://horiizoo.blog99.fc2.com/blog-entry-207.html


火事から3日以内に集まったファン等からのコメント
(一部に事情を知らない人からの誹謗中傷もある)
http://horiizoo.blog99.fc2.com/blog-entry-205.html#comments



■ネット上で集めた堀井動物園に関する情報


堀井動物園応援ページ
http://www.eonet.ne.jp/~koutokufudousan/c21n1/H1.html


堀井動物園に関するネット上の議論
(動物園で働いた経験のある人も書き込んでいる)
http://chiebukuro.travel.yahoo.co.jp/detail/1256274917.html?p=%E4%B8%89%E9%87%8D%E7%9C%8C&did=2078297926


FNSドキュメンタリー賞の候補になった堀井動物園に関するドキュメント
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/16th/07-134.html